2024.05.01
マーケティング活動の失敗を最小限に抑える5つの注意点
デジタルプロモーションの活動を軌道に乗せるまでの難易度が上がり、参入障壁が高まっている昨今。計画通りに進まず、利益が見込めないため、撤退するプロジェクトが多々発生しています。
薬機法による規制で表現の範囲が厳しくなっていること、異業種から参加するプレイヤーが増えていること、広告の入札単価の上昇とともに新規獲得単価も上がっていること等が理由と考えられます。カテゴリーによっては激戦区の市場もあり、どんなニーズに対して、どのような訴求を行うか?LTVを伸ばすためにどんな情報を用意し、どんな指標を元にPDCAを行いマーケティングを最適化するか?仮説や計画の精度が低いと、つまづく回数も増え計画通りに進行することができません。複数のプロジェクトを通じてとらえたマーケティング活動の失敗を最小限に抑える、5つの注意点をご紹介します。
競合分析(市場を捉える)
類似製品やサービスの競合の取組や強み、弱みを把握することで、自社の戦略を調整し、競争上の優位性を確保することが必要です。具体的には、競合のLPやサービスサイトから16の項目を読み取り、コンテンツ比較を行うことで、市場の成熟度を測り、狙う市場への参入判断が可能です。
<16の項目>
1.イメージモデル、2.専門家(医師含)、3.愛用者モデル、4.口コミの件数(@コスメ・LIPS・モール)、5.メディア掲載数、6.冠獲得数、7.初回購入価格、8.キャッチコピー、9.アンケート結果、10.返金保証、11.独自技術・製法特許、12.オリジナル原料・成分、13.有用性試験、14.累計販売実績、15.医学誌掲載、16.開発ストーリー・想い
LPに16のPRコンテンツを掲載するのに、4,000万円かけて製作したLPの企業様のお仕事を経験した事があります。数千万かけたLPと戦う際の勝算が見つからなければ、苦戦する覚悟や、勝つための販売戦略、参入判断が必要です。狙うカテゴリーの市場の中に、PRコンテンツで強化されているLPが複数存在している場合は、成熟されたカテゴリー市場で参入障壁が高いととらえます。
化粧品では、美容液・クレンジングは供給過多で、芸能人をイメージモデルとして起用する企業も複数存在し、差別化や販売戦略が無いと勝算はありません。
食品の青汁カテゴリーでは、100を超えるブランドが販売されており、イメージモデルでは、東原亜希さん、原田龍二さん、ともさかりえさん、松平健さん、船越英一郎さん、友近さん、藤田朋子さんが起用されており、市場の大きさと競合の力の入れようがわかります。青汁のプロモーションを経験した際には、CPAも高く苦戦し、デジタルメディア上でのプロモーションは停止されました。どのカテゴリーで、どのような販売戦略で戦うか?を作成するためにも、競合分析が必要です。
ターゲットの理解 (見込顧客の設定)
製品やサービスを販売するターゲットのペルソナを明確に設定します。ニーズや需要を理解し製品やサービスの企画を行う事が必要ですが、ペルソナやカスタマージャーニーが明確に設定されていない場合、訴求するアプローチメッセージや、どんなコンテンツを用意するか定めることが出来ません。最近では、ブランドストーリーに共感し、継続する要因になっていますので、同梱物やアプローチメッセージの軸が必要です。ユーザーに共感・興味を持ってもらうコミュニケーションを行うためにも、ターゲット設定が必要です。
資産運用とオンラインクリニックのプロモーションでは、カスタマージャーニーの設計が甘くて目標CVR到達に苦戦しました。資産運用では、面談や説明会を、オンラインクリニックでは、医師による診療がCVまでのプロセスに発生するのですが、予約が50%を超えるキャンセルが発生しました。予約日までに、クーポンやサービス比較を行い、条件が良いサービスが見つかれば予約をキャンセルし、切り替えられてしまいました。ユーザー心理と市場の特性をキャッチする事が足りませんでした。ユーザーが求める事は、「安心できる情報量」、「競合と同等のクーポン」と仮説して、それらを追加してキャンセル率を改善しました。
商品企画(どんな商品を作るか)
プロモーションが苦戦する多いケースは、薬機法の制限で訴求が充分にできないことです。OEM会社や展示会経由で、新しい成分を認知し、この成分で製品を作れば売れると考えがちですが、クリエイティブを作成していく中で、薬機法で表現ができず、見込んでいた製品の魅力を伝える事ができない場合が発生します。
これらを防ぐためには、商品の製造前に、クリエイティブの構成案を作成することです。薬機法に対応したら、訴求が弱く伝わらない場合は、ユーザーからの興味・魅力を獲得できず新規ユーザーの獲得に苦戦します。獲得が苦戦すると解ったら、製品を製造したいと考えるでしょうか?化粧品であれば保湿、ハリ、ツヤ、潤い、食品であれば栄養補給やダイエットサポートなど認められた表現の把握も必要です。化粧品では医薬部外品、食品では機能性食品と、これまでより表現できる登録手法の製品が増えています。
表現以外に、競合が自社と同じ企画の製品を販売していないかの確認が重要です。同じ企画をしている製品の価格やLPに掲載しているPRコンテンツに対して、どのように戦うか?の販売戦略が必要になります。
プロモーション(どのようなコミュニケーションをとるか)
ターゲットに適したコミュニケーションチャネルやメッセージングを選択し、一貫性のあるブランドメッセージを伝えることが重要です。顧客とのコミュニケーションを通じてブランドの価値を伝え、顧客との関係構築の強化、興味・関心の獲得を行います。
バナーによるプッシュ配信でCVできるものもあれば、CVできない場合があります。エステサロンのプロモーションでは、自ら探すキーワード検索は獲得ができ、バナープッシュのユーザーは予約した後のキャンセル率が高い現象が起きました。単価が低い、気軽に始めれることができる内容のプロモーションであれば、プッシュバナー配信でも良いのかもしれませんが、資産運用商材のプロモーションでは、サービス説明会の予約キャンセルが8割も発生しました。対策として、バナー → LP → 面談予約 → 面談 → 申込(CV)の流れを、
バナー → LP → LINE友達 → 情報提供 → 面談予約 → 情報提供 → 申込(CV)に変更し、信頼と興味を獲得の取り組みを追加して、キャンセル率を減らすことができました。
顧客の心理を獲得するには、ある一定の情報量が必要で、トライアル購入後から1回目の定期発送や、2回目、3回目までの発送までの間に、情報提供の質を上げる事で、継続率を改善することができました。
ブランド名や品名を検索エンジンGoogleでキーワード検索して検索結果を確認しましょう。検索結果で口コミサイトやプレスリリースした情報やSNSの投稿結果が表示されます。ユーザーが購入の意思決定時に第三者の評価を確認する行為が発生します。口コミをよく見ている」「たまに見ている」をあわせた数字は75.9%で、全体の約76%が商品やサービスの購入時に口コミを参考にしているアンケート結果も発表されています。検索結果を良い状態にするようにメンテナンスも必要です。
PDCA(データ分析と改善活動)
マーケティング活動の効果を測定し、データ分析を通じて洞察を得ることが重要です。顧客の行動や反応を追跡し、キャンペーンの効果を評価し、得られたデータに基づいて戦略を改善し、さらなる成果を追求します。
バナー配信では、バナー→記事LP→LPという流れ、キーワード検索ではLPに直リンクします。
バナー配信ではCTRでユーザーの反応を、CPCで流入単価を確認。CPCを下げて流入数を増やしますが、流入を増やしてもCVが発生しなければ、見込み顧客の誘導ができてないことになります。CPCが高くてもCV数が多ければ結果的に成功となります。メタやLINEなどはLPとの間に記事LPを挟むことがありますが、LPへの遷移率が重要です。記事LPからLPへ遷移しないこともあり、遷移するように内容を見直します。記事LPからLPへ遷移した後は、CVRでLPに到達したユーザーが何割CVしたのか確認します。
記事LPもLPもヒートマップ計測でページ全体の何割まで閲覧されているかを確認します。CVする前に、ページから離脱している可能性を確認します。
広告配信は、CVまでに複数のポイントにKPIを設定し、各指標をチェックしますが、配信エリア、年齢、趣味嗜好、デザイン、配信面の設定も影響しますので、配信設定毎の配信結果を追跡しCV獲得の最適化を行います。
CV獲得最適化の次は、CVしたユーザーの継続率です。定期購入であれば、何回まで購入されるか?を計測します。1ユーザー獲得に1万円かかり、1回の購入で2,000円の利益なら5回の継続が必要ですが、3回目で解約になれば、4,000円の赤字です。継続率を上げるために、解約回数が多いタイミングにプレゼントやインセンティブを設置します。化粧品であれば、ターンオーバーまでに3ヶ月かかると言われていますので、3ヶ月肌の変化を待ってもらう案内も有効的です。製品を利用しても、肌や体重などの変化を実感するには時間がかかり、その時間が待てずにブランドを切り替えていくトライアル難民と言われています。
ユーザーを引き止めるには、効果への期待はもちろん、このブランドを利用している自分が好きと言ったブランドへの愛着や憧れもあります。ジョンマスターオーガニックにはそんなユーザーが多いとも聞きます。ユーザーはブランド力、価格、機能や効果何を期待しているかを読み解くことも、メーカーが作り上げたいブランドイメージを作るか?という取り組みだと考えます。
ユーザーアンケートでニーズや感想を探るのも有効的です。配信設定、配信結果、ユーザーアンケート、他社取組事例、市場動向と5つの要素を継続して捉えて、仮説を立て柔軟に変化やテストを行いマーケティング精度を上げていくPDCAが有効的です。
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