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2025.07.01

日本のディスカウントストア市場:拡大を続ける“安さと便利さ”の最前線(化粧品・食品在庫処分)

供給過多の日本市場

矢野経済研究所の調査(2020年)では、化粧品受託製造市場が2019年度から供給過多への懸念が顕在化し始め、新型コロナウイルスの影響でさらに需要が落ち込み、減少トレンドに転じたと報告されています。

また、ある推計によると、2022年に出荷された化粧品の約半分(年間13億個)が売れ残っている可能性も指摘されており、その背景には、化粧品の製造販売許可を持つ企業が非常に多く(2022年3月末時点で4,198社)、各社が多種多様なSKU(最小品目単位)で最低ロットを担保しながら製造するため、供給量が膨大になる現状があります。

ヘルス製品市場の状況

ヘルス製品、特に健康食品市場は、消費者の健康意識の高まりや機能性表示食品制度の浸透により、全体としては拡大傾向にあります。しかし、この市場も企業の参入が活発であり、製品の種類が非常に多岐にわたるため、個々の商品レベルでは競争が激化し、特定のニッチ市場や流行が過ぎ去った商品において供給過多の状態が発生する可能性はあります。

日本の化粧品・ヘルス製品市場で供給過多になっている主な理由を以下にまとめます。

参入企業の多さと競争激化

化粧品企業の乱立: 特に化粧品業界は、製造販売業許可を持つ企業が非常に多く、新規参入も活発です。これは、最小限のロットで製造できる体制や、OEM(他社ブランド製品の受託製造)メーカーの存在が多いため、比較的参入障壁が低いことによるものです。

新製品の多発: 多くの企業が市場シェアを獲得しようと、次々と新しい製品を投入します。これにより、市場に流通する商品の種類(SKU)が飛躍的に増加し、総供給量が増大します。

ヘルスケア製品のブームと参入: 健康志向の高まりとともに、健康食品やサプリメント市場への参入企業も増加しています。特に機能性表示食品制度の登場は、新規参入を促し、多様な製品が市場に溢れる結果となりました。

需要予測の困難さと生産体制

トレンドの移り変わり: 化粧品やヘルス製品のトレンドは非常に移り変わりが速く、消費者の嗜好も多様化しています。流行が過ぎ去ると、特定の製品の需要が急減し、過剰在庫となることがあります。

最低ロット生産: 製造委託の場合、生産工場は効率を重視するため、一定の「最低ロット」での生産を求めます。これにより、たとえ需要が予測よりも少なくても、まとまった量の製品が製造されてしまい、それが在庫となって残ることがあります。

販売計画とのズレ: 生産計画と販売計画が常に一致するわけではありません。特にヒットを期待して多めに生産したものの、実際には計画通りの売上が得られず、在庫が積み上がることがあります。

ディスカウント店舗のご紹介

このような供給過多の流れから、日本のディスカウントストア市場は、物価高騰や節約志向の高まりを背景に、年々拡大を続けています。安さだけでなく、商品ラインナップや利便性、エンタメ性を兼ね備えた店舗づくりで、幅広い層の消費者に支持される業態となっています。ここでは、日本を代表する主要なディスカウントストア企業とその特徴をご紹介します。

ドン・キホーテ
(株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)

  • ・年間売上(連結):約1兆9,000億円(2023年6月期)
  • ・店舗数:約680店舗(国内)
  • ・特徴:驚安(きょうやす)の殿堂」として知られ、深夜営業・24時間営業の店舗も多く、若年層を中心に圧倒的な人気を誇ります。陳列は“ごちゃごちゃ感”を意図的に演出し、宝探しのような購買体験を提供。
  • ・取扱商品:化粧品、食品、家電、衣料品、ブランド品、日用品、雑貨など幅広く、商品回転も非常に早い。

ダイレックス
(サンドラッググループ)

  • ・年間売上:約4,000億円超(2023年度推定)
  • ・店舗数:約500店舗(九州・中国・四国を中心に展開)
  • ・特徴:地域密着型で、ディスカウントとドラッグストアの中間的業態。PB商品の充実や店舗のコンパクトさが特徴で、郊外を中心に出店。
  • ・取扱商品:食品、医薬品、日用品、化粧品、雑貨など。特に生活必需品の低価格が魅力。

くすりの福太郎
(ツルハホールディングスグループ)

  • ・年間売上高: ツルハホールディングス全体の年間売上高は公開されていますが、「くすりの福太郎」単独での詳細な売上高は一般に公表されていません。参考として、ツルハホールディングス全体の2024年5月期(予想)売上高は約1兆円です。
  • ・アウトレット品: 賞味期限が近いサプリメント、健康食品、PB商品、大手メーカーの旧パッケージ品など
  • ・具体的な取扱例: DHC、ファンケル、明治、協和発酵バイオなど
  • ・店舗数: 関東を中心に300店舗以上
  • ・特徴:ドラッグストアにアウトレットコーナーを併設している点が特徴。
  • ・実店舗での販売のため、顧客が商品を直接手に取って確認できる。
  • ・賞味期限が近い商品だけでなく、PB商品や旧パッケージ品もアウトレット対象とする多様な品揃え。

ジャパンアウトレット

  • ・年間売上高: 非公開
  • ・取り扱い商品:サプリメント、化粧品、健康食品など消費期限が近い商品、パッケージ変更品など
  • ・具体的な取扱例: DHC、NOW FOODS、オーガランド、ナウシーズンなど
  • ・店舗数: オンライン通販サイトのため、実店舗なし
  • ・特徴:サプリ・化粧品に特化したアウトレット専門通販サイト。
  • ・BtoC形式での販売が主だが、メーカーからの在庫買取や委託販売にも対応しており、幅広い供給源を持つ。

ヘルシーメイト
(自然食品+アウトレット系)

  • ・年間売上高: 非公開
  • ・取り扱い商品:オーガニック・自然派サプリメント
  • ・消費期限が近いナチュラルサプリ、健康食品
  • ・具体的な取扱例: サンフード、ナチュラルハーモニー系、オーガニック酵素・ビタミン類など
  • ・店舗数: 通販サイト+一部店頭販売(具体的な店舗数は不明)
  • ・特徴:オーガニック・自然派志向の顧客に特化したアウトレット販売。
  • ・品質重視のナチュラルサプリを、アウトレット価格で提供することで、新たな顧客層を開拓。
  • ・通販と店頭販売の両方を展開している可能性があり、顧客のアクセス方法が多様。

今後の展望

人口減少や都市集中化が進む日本においても、ディスカウントストアは成長を続けています。物価上昇や生活防衛意識の高まりによって、“価格以上の価値”を提供する業態としての存在感は増すばかりです。消費者にとっては「日常の味方」、メーカーにとっては「販路開拓のパートナー」として、ディスカウントストア市場は今後さらに重要な役割を果たすことになります。

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