2025.07.01
失敗しない商品企画に欠かせない「ペルソナ設定」のすすめ

化粧品市場は、トレンド変化が早く、競合も多い“超”成熟産業です。その一方で、「売れる商品」と「売れない商品」の差は歴然としています。せっかく企画しても在庫が残り、販路も見つからずに撤退……という失敗も珍しくありません。では、失敗しない商品企画とは、どこに気をつけるべきなのでしょうか。
商品企画が失敗する主な理由
化粧品の商品企画がうまくいかない理由は、大きく以下の3点に集約されます。
1. ターゲットがあいまいで誰にも響かない
「20〜40代女性」など、広すぎるターゲット設定では、商品の魅力が曖昧になります。実際には、年齢・肌悩み・価値観・生活スタイルまで深堀りした“ペルソナ”の設定が欠かせません。
2. 市場にすでにある商品と差別化できていない
成分や価格、パッケージなどに明確な違いがなければ、消費者の目に留まりません。「◯◯の悩みに特化」「○○だけを使った処方」など、尖ったコンセプトが求められます。
3. 販路を考えずにつくってしまう
販売チャネルに合わない価格設定・訴求では、せっかくの商品も棚に並ばず埋もれてしまいます。企画時点で「どこで誰にどう売るか」を見据える必要があります。
成功の鍵は“ニッチ特化”と“具体性”
最近の成功事例には「超ニッチな課題に応える商品」が多く見られます。たとえば「ゆらぎ肌に悩む30代後半の女性向けの導入美容液」「赤ちゃんと一緒に使える保湿ジェル」「マスク生活に特化した崩れないファンデーション」など、課題とターゲットが極めて明確です。
また、実際にリピート率が高いブランドは、成分の“ストーリー性”や、“使い心地”といった感性面にも投資しています。単に成分を列挙するのではなく、「なぜこの成分を使ったか」「どんな肌体験を提供するか」が伝わる企画が支持されています。
商品企画に必要な3つのプロセス
1. 市場とニーズの“定点観測”
SNS、レビューサイト、アットコスメなどを活用し、消費者の声を常にモニタリング。定量的な市場データに加え、リアルな“悩み”や“言葉”からヒントを得ましょう。
2. テスト販売で反応を見る
初期段階でECやポップアップストアを活用し、テスト販売を行うのも有効です。コンセプト・価格・パッケージの反応を見ながら改善が可能です。
3. 販路との連携・調整
ドラッグストア、百貨店、EC、バラエティショップなど、販路ごとに商品に求められる要素は異なります。商品企画と販売戦略はセットで考え、流通担当者との事前調整も大切です。
OEM・ODMメーカーとの関係づくりも重要
化粧品は自社製造よりも、OEM・ODMによる生産が一般的です。開発スピード・小ロット対応・最新処方など、信頼できるメーカーとの連携が成功の鍵を握ります。企画側の熱意と論理性を持ち、メーカーとの対話を重ねていくことが品質にもつながります。
企画に必要なペルソナとは?
ペルソナとは、「商品・サービスの理想的なユーザー像」を指します。たとえば「30代女性・会社員・乾燥肌」というような広い属性ではなく、「東京都内に住む33歳のOL、週5日フルタイム勤務、マスク生活で肌荒れが気になるが、時短でスキンケアを済ませたい」というように、生活背景や悩み、購買行動まで踏み込んで描写します。
このペルソナを具体化することで、商品コンセプト、パッケージデザイン、価格帯、販路選定、広告メッセージに一貫性を持たせることができます。
ペルソナ設定が曖昧だと何が起きる?
ペルソナを曖昧にしたまま企画を進めると、「誰にも強く刺さらない」商品になってしまう危険があります。たとえば、「乾燥肌に悩むすべての女性に向けた保湿クリーム」として開発しても、似た商品はすでに数百種類存在します。その中で選ばれるためには、「誰に、どんな悩みに、どう効くのか」を明確に伝えられる必要があります。
ペルソナがはっきりしていれば、「30代後半で育児と仕事に追われる女性が、1分で完了できる集中保湿ケア」といった尖った打ち出しができ、購入意欲を高めることが可能になります。
ペルソナ設定の手順
1. 市場調査・ユーザーインタビュー
SNS、レビューサイト、クチコミ、アンケートなどを活用し、実際の消費者がどんな悩みを抱え、どんな言葉で語っているかを把握します。
2. 具体的な人物像をつくる
年齢、性別、職業、居住地、生活スタイル、肌悩み、使用中の商品、購買経路などを具体的に設定します。名前や1日のスケジュールを想像するのも効果的です。
3. その人が“買いたくなる理由”を考える
感情や動機に注目し、「この商品を使うことでどんな未来が得られるか」を想像します。共感や安心感が得られるストーリーがあると、より強い訴求になります。
売れる化粧品は、必ずといっていいほど「ある特定の誰かの悩み」に深く刺さっています。万人向けを目指すのではなく、「この人のための商品です」と言えるくらいの狭く深いペルソナ設計が、ブランドの強さにつながります。
ペルソナ設定は、単なるマーケティングの手法ではなく、化粧品企画の根幹を支える重要なプロセス。商品企画の初期段階でじっくりと取り組むことが、失敗しない商品づくりへの第一歩となります。
売れなかった時の“出口戦略”も用意する
どれだけ企画を練っても、必ずしも全商品がヒットするとは限りません。そのため、在庫リスクに備えた出口戦略(在庫処分先、アウトレット販路など)を事前に設計しておくことも、長く商品開発を続けていくうえで欠かせない視点です。
化粧品市場は年々飽和状態が進み、「良い商品を作れば売れる」という時代は終わりを迎えています。そんな中で差別化を図るために、ますます重要になっているのが「ペルソナ設定」です。単なる“ターゲット層”の設定ではなく、より具体的で現実に存在しそうな人物像を描くことで、商品開発やマーケティングの精度が飛躍的に高まります。
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