化粧品在庫処分とは？在庫処分にお悩みのメーカー様向け（ノウハウ情報）

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化粧品業界における在庫の現状

化粧品業界は、美容意識の高まりとともに絶えず新商品やトレンドが生まれる激しい競争・レッドオーシャン市場です。サキュレアクト株式会社によると、日本の化粧品の年間出荷個数は約25億個（2022年経済産業省化粧品出荷統計）で、化粧品使用人口から推定すると製造した時点で約56％が廃棄対象となる可能性があるそうです。また、化粧品アップサイクル事業に取り組む株式会社モーンガータの調査では年間約2万〜3万t以上の化粧品バルクが廃棄されていると推測されています。化粧品大手メーカーは需要予測の精度を上げながら、機会損失と余剰在庫の最小化を進めていますが、商品供給の過剰や販売予測のズレにより、多くの余剰在庫が発生しています。特に、季節商品や限定品、リニューアル品など、多様な商品ラインナップが存在し、適切な在庫管理が求められる一方で、新商品として販売された製品が初動から反応が悪く売れない事もあります。使用期限の管理と、在庫処分を始める際の手順をご紹介します。

在庫処分が注目される理由

大量の在庫は企業の資金繰りに悪影響を及ぼすため、適切な処理・対応が求められます。特に、化粧品は使用期限や新トレンドへの移行も考慮していく、早期の在庫処分判断と効率的な活用が必要です。また、環境負荷の観点からも廃棄ロスを最小限に抑える取り組みは、社会的な責任として重要性を増し企業に求められています。

化粧品在庫とは？

在庫の種類

化粧品における在庫の種類は多岐にわたります。

●売れ残り商品：販売期を過ぎた商品や、販売量に対して過剰に製造された商品。

●季節商品：クリスマスコフレや夏限定の日焼け止め、秋冬用の保湿アイテムなど、特定期間だけ需要が高まる商品。

●使用期限が近い商品：使用期限や製造年月日が明記されており、一年を切ると陳列不可となることも。

化粧品ならではの在庫の特徴

化粧品は、化学成分や防腐剤の作用で一定期間の使用は可能ですが、期限を過ぎると安全性や品質に問題が出るため、在庫管理には慎重さが求められます。また、トレンドの移り変わりや流行に敏感な商品は、価値が急激に落ちることもあり、「陳腐化」が在庫問題の一因となっています。さらに、店頭やECサイトでの販売キャンペーンや限定販売商品も在庫の増加につながりやすい理由です。

使用期限とは？

化粧品の消費期限に関しては、薬機法（薬事法）および化粧品の表示に関する規定に基づいています。化粧品には「使用期限」または「未開封時の保存期限」が表示義務として定められており、一般的には未開封時の期限は3年以上とされています。
また、開封後は「使い切り期限」や「推奨期限」が設定される場合があります。化粧品表示基準（厚生労働省告示）によると、期限を過ぎた製品の使用は肌トラブルや衛生面のリスクを伴うため、注意が必要です。特に目元や敏感肌用の製品では、期限を守ることが安全性確保の観点から重要です。期限が切れる1年前には在庫処分の判断を行い、アウトレット販売会社への卸やセール販売の開始をすることをお勧めします。

＜在庫処分の流れ＞

１：（メーカー様）期限切れ前１年前でアウトレット販売会社への打診を行う
２：（メーカー様）製品見本を送付して現物確認をしていただく
３：（弊社）アウトレット販売会社からの買取金額打診が出る
＊現物確認から一週間程度で提示が届きます。
４：（メーカー様）買取金額で卸す判断を行う
５：（メーカー様）卸す数量を確定するため、販売停止日を決め販売停止を行う
６：（弊社）販売停止日以降で、製品在庫数を確定して、納品日を調整
７：（メーカー様）発送前の製品数量と製品状態を確認
＊カビや中身がポンプから出ないなどの不良品が納品される事故が複数発生しています。
８：（メーカー様）アウトレット販売会社の倉庫へ納品
９：（メーカー様）発送日に納品書をメールで提出
＊倉庫までの発送費用は卸す側の負担となります。

なぜ在庫が発生するのか？

需要予測のズレ

販売予測を立てる際に、市場トレンドや消費者ニーズの変化を的確に把握できないことが原因です。特に、新商品投入時や季節需要の変動に対応できず、過剰な在庫が積み上がる場合があります。

流行・パッケージ変更・リニューアルの影響

化粧品は流行に敏感で、新しいトレンドやデザイン変更に伴い、旧型商品やパッケージが在庫として残るケースも少なくありません。リニューアルや刷新により、古い商品は販売促進の妨げとなるため、処分に回されることもあります。

小売店やECサイトの返品・キャンセル

注文キャンセルや販売不振により、余剰在庫が発生します。特に、ECの普及により、送料や在庫コストの関係で余剰商品が出やすい傾向にあります。

マーケティング戦略の影響

数量限定や販促品、ノベルティ付商品の投入により、計画通りに売れない在庫が生まれることもあります。特に、売れ行きの予測が甘い場合、大量の在庫が余ってしまうリスクが発生します。

化粧品在庫処分の主な方法

セール・アウトレット販売

最近では楽天市場にショップを開設し、メーカーが在庫処分のためにセール販売を行っている事例を多く出ています。また、大手メーカーでも、アウトレット販売を行う事例が増えています。期限切れ間近や在庫過多の製品を自社のショップで割引販売し、早期に処理します。

事例
・アウトレット | 花王公式通販【My Kao Mall】

・資生堂アウトレット商品特集｜楽天24
・LOHACO – ロート製薬　スペシャルアウトレット
・コーセー｜KOSE Green Bazaar

化粧品の在庫処分｜アウトレットショップへの卸売

日本には化粧品をディスカウント価格で販売しているアウトレットショップが600店舗ほどあります。認知度が高い企業では、ドン・キホーテ（461店舗）です。
過剰在庫や古くなった商品を洗い出し、市場価値や販売最終期限を考慮し、適切な割引価格を設定します。次に、アウトレットショップに卸取引がある企業に商品案内をします。買取相場は5％～20％程度になり、不良品以外の返品はなく買取されます。